「赤祖父円筒分水槽」から水利権と水力発電の共生を考える 2026年8月31日 >事例紹介 >砺波広域圏福野調整槽
水争いを収めた「赤祖父円筒分水槽」(登録有形文化財)
〜水利権と水力発電の共生を考える〜
富山県南砺市にある「赤祖父円筒分水槽」は、国の登録有形文化財にも指定されている歴史的な土地改良施設です。かつてこの地域では農業用水をめぐる厳しい水争いが続いており、日照りが続くと取水をめぐって傷害事件に至ることも稀ではなかったといいます。
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昭和24年(1949年)、円筒の上部から均等に水を溢れさせ、配分比率に応じた仕切板で3つの水路へ正確に分配するこの仕組みが完成したことで、長年の紛争は解消されました。
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【🌊 慣行水利権と水力発電の共生】
水力発電の導入において、地域社会や利水者の方々が最も懸念されるのは「既存の水利権や配水ルールに影響が出ないか」という点です。歴史ある水利の現場であればなおさら、わずかな水量や水流の変化も許されません。
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【⚙️ 実証実験から移管へ:福野調整槽での官民連携アプローチ】
この赤祖父円筒分水槽のすぐ近くで運用されているのが、砺波広域圏事務組合様が所有する「福野調整槽マイクロ水力発電所」です。
本設備は、当社親会社であるダイキン工業が実証実験を行った後に事務組合様へ設備移管されたものであり、現在は当社が継続して維持管理(メンテナンス)を担っています。
発電システムは、配水管内の「余剰水圧」のみを活用して発電を行う「従属的利用」を採用しています。上流から届く水の「量」や「流路」を一切変更しないため、先人が築き上げた慣行水利権や伝統的な配水ルールに100%寄り添い、既存の利水に何ら影響を与えることなくクリーン電力を創出し続けています。
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【🛠️ 設備移管後も手厚いメンテナンスで長期安定稼働を伴走】
自治体が設備を所有・運用するうえで重要となるのが、導入後の維持管理体制です。当社では設備移管後も定期的な点検・構造チェックを実施し、長期間にわたって安全かつ高い発電効率を維持できるよう、技術面からしっかりと伴走しています。
当社が維持管理を受託してから9年以上が経過した現在も安定した稼働を続けており、これまでに累計で約650MWhのクリーン電力を創出してきました。
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【🌱 地域の歴史を敬い、未来の「地域を支える力」へ】
水は単なる発電エネルギーではなく、その土地の歴史や文化、人々の暮らしそのものです。先人が築き上げた慣行水利権や水利用のルールへの深い敬意を前提にしながら、既存インフラの価値を損なうことなく脱炭素化を推進していくこと――それこそが、私たちが目指す水インフラの姿です。
福野調整槽における実績や日々のメンテナンスを通じて培った知見をベースに、当社では水インフラ全体のエネルギー最適化を包括的にサポートする「Energy Solutions」を展開しています。複雑な水利条件や維持管理のあり方についても、個別施設の状況にあわせて丁寧にご提案いたします。
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