再エネ政策は「地域共生」型へ:公共施設への率先導入 2026年6月22日 >その他 >政策
再エネ政策は「地域共生」型へ:公共施設への率先導入
2026年6月3日、資源エネルギー庁は「再エネ主力電源化に向けた今後の再生可能エネルギー政策について」を公開しました。
2024年度の日本のエネルギー自給率は、16.3%。国際情勢の影響を受けやすく、エネルギーの安定供給リスクも増大しているとのこと。我が国が掲げる「2030年度の再生可能エネルギー比率36〜38%」の達成に向けて、残された時間は限られています。
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◆「地域共生型」へのシフトと公共施設での率先導入が打ち出されています
資料中、これからの再エネ普及において国が最重視しているのは、地域社会と調和し、住民に受け入れられる「地域共生型」へのシフトです。具体策として、国は次世代型ペロブスカイト太陽電池の開発支援を進めるとともに、公共施設や工場等の「屋根置き太陽光」への転換を鮮明に打ち出しています。そして、この地域共生型の転換を加速させるために、国が自治体や公的機関に強く求めている手立てが、「公共施設や既設インフラを活用した、徹底的な率先導入」です。地域の環境負荷を増やさず、すでに社会的に受容されている既存の公的アセットから、クリーンエネルギーを徹底的に絞り出すアプローチが、今後求められます。
しかし、脱炭素化(GX)のタイムリミットが迫る地方自治体の現場において、「庁舎の屋根に太陽光を乗せる」といった単一の個別アプローチだけでは、高い目標の達成や、災害時に耐えうる地域のレジリエンス(防災力)強化を両立させることは容易ではありません。
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◆「上下水道インフラ」の脱炭素化は有効
そこで求められるのが、地域の公的インフラを縦割りではなく網羅的に捉え、複数のアセットを組み合わせる多角的なアプローチです。なかでも、自治体が管理するインフラの中で最大のエネルギー消費源の一つとなっている「上下水道インフラ」に着目する視点は、今後の公共率先導入において極めて重要な鍵となります。
各自治体が公表している地球温暖化対策実行計画(事務事業編)の内訳を見ると、上下水道事業が占める温室効果ガス排出量の割合は、自治体の規模に応じて全体の約2割から4割近くに達しているケースが多く、公的部門における非常に大きなの電気消費源(CO2排出源)となっているのが実態です。この大きなエネルギー消費源をいかに脱炭素化し、同時にエネルギーを生み出すアセットへと転換していくか。
ここで重要となるのが、第7次エネルギー基本計画でも「安定した出力を長期的に維持することが可能な脱炭素電源として重要」とされ、国が「電源投資の促進」を明確に打ち出している水力発電のポテンシャルです。
天候や時間帯によって発電量が激しく変動する「屋根置き太陽光」に対し、既存の水道・工業用水インフラの未利用落差(余剰圧力)を活用したマイクロ水力発電は、24時間365日、季節を問わずベースロードとして安定した電力を生み出し続ける性質を持っています。
つまり、今後の公共率先導入において自治体が考えるべき手立ては、太陽光の導入と水力への電源投資を個別の縦割りとして進めることではありません。「太陽光による日中のピーク発電」と「水道インフラを活用した長期安定的な水力発電」、そしてこれらを需給調整する「蓄電池システム」を複合的に組み合わせ、地域インフラ全体を最適化する「包括的なエネルギーソリューション(Energy Solutions)」の構築こそが、限られたタイムリミットの中で目標達成と地域のレジリエンス(防災力)強化を両立させる現実解となります。
